小さな都市で「よく生きる」の挑戦 ―イタリア型スローシティ「チッタスロー」運動の理念と展開―

書誌事項

タイトル別名
  • How can Small Cities Survive in a Globalized World?: The Italian Cittaslow Movement and its Implications
  • チイサナ トシ デ 「 ヨク イキル 」 ノ チョウセン : イタリアガタ スローシティ 「 チッタスロー 」 ウンドウ ノ リネン ト テンカイ

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説明

本稿の目的は、イタリア発の個性的な地域づくり「スローシティ(イタリア語で「チッタスロー」)」とはどのような取り組みかを理解し、日本の地方都市と比較研究を行うための基礎的考察を行うことである。1999年にイタリアの4つの小さな地方自治体の宣言から始まったこの運動は、2021年現在、30の国・地域と272の都市が加盟する活発な国際的なネットワークを形成するに至っている。日本では宮城県気仙沼市(2013年)と群馬県前橋市の赤城(2017年)の2都市が正式加盟している。しかしながら、日本での認知度は高くなく、当該加盟都市の住民もその例外ではない。そこでまずこの運動の歩みと現在の位置を概観する。次にスローシティ運動の根底にある精神を、世界規模の近代化、合理化の「裏をかく」「意表を突く」ことにある点を論じる。そしてこれまで邦訳のなかった「 チッタスロー宣言」のイタリア語版全文を丹念に読み解きながら、現代の高度消費社会において、小さな都市で「よく生きる」ことはいかにして可能か、がチッタスロー運動の根源的な問いかけであることを論じる。最後に前橋赤城スローシティをフィールドとした大学教育・調査研究・地域活性化の一体化を目指したプロジェクトの現在地を確認する。

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