核医学治療における適正使用の実態調査

  • 宮司 典明
    がん研究会有明病院画像診断センター核医学チーム
  • 山下 康輔
    がん研究会有明病院画像診断センター核医学チーム
  • 米山 寛人
    金沢大学附属病院放射線部
  • 花岡 宏平
    近畿大学高度先端総合医療センターPET分子イメージング部
  • 右近 直之
    福島県立医科大学先端臨床研究センター
  • 前田 貴雅
    量子科学技術研究開発機構QST病院医療技術部診療放射線技術室
  • 飯森 隆志
    千葉大学医学部附属病院放射線部

書誌事項

タイトル別名
  • The Questionnaire Survey of Japanese Practice and Environment for Targeted Radionuclide Therapy in 2021
  • カク イガク チリョウ ニ オケル テキセイ シヨウ ノ ジッタイ チョウサ

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抄録

<p>【目的】近年の核医学治療は,α線放出核種やβ線放出核種などの新しい治療用放射性医薬品の導入に伴い,その業務や環境整備が急務となっている.本研究では,日本の核医学治療施設における現状(医療従事者・患者に対する安全管理)をアンケート調査により明らかにすることを目的とした.【方法】2021年10月から11月の2カ月間,過去2年間に核医学治療を実施した全国251病院を対象に大規模なアンケート調査を実施した.病院の代表者1名がα・β線放出核種の治療用放射性医薬品を分類し,匿名下で回答した.核医学治療による職業被ばく,放射線防護,汚染検査,退出基準および線量評価に関する各施設の実態を分析した.【結果】アンケート回収率は69.1%(174施設)であった.β線放出核種で90.2%とα線放出核種で89.0%の施設が職業被ばく低減の取り組みについて施設独自もしくはガイドラインに準じて被ばく低減措置を講じていると回答した.退出基準として投与量を記録している施設と線量率を記録している施設はそれぞれ68.0%と87.2%であった.また,コールドランを初回に実施しない施設がβ線放出核種とα線放出核種でそれぞれ15.0%,10.0%存在し,シリンジシールドを使用していない施設はβ線放出核種とα線放出核種でそれぞれ20.3%と39.2%であった.【結語】本アンケート調査により核医学治療の実施と施設環境に関する日本の問題点を明らかにした.その結果,核医学治療に関する日本のガイドラインやマニュアルは,全国の核医学治療施設において一部遵守されていないことがわかった.</p>

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参考文献 (10)*注記

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