食物経口負荷試験が診断に有用であった即時型ブリ・カンパチアレルギーの1例

書誌事項

タイトル別名
  • Yellowtail and greater amberjack allergy in which the oral food challenge test was useful for diagnosis

この論文をさがす

説明

<p>魚類の主要アレルゲンであるパルブアルブミンは,ほぼ全ての魚種に存在し,魚類アレルギー患者は複数の魚種にアレルギー症状を呈することが多く,複数の魚種の特異的IgE抗体価が陽性となりやすい.今回,測定し得た魚種の特異的IgE抗体価は全て陰性で,ブリとカンパチにのみアレルギー症状を呈した1例を経験したので報告する.症例は10歳男児.食物アレルギー既往なし.給食でブリ,カンパチを摂取後,校庭を走っている最中に全身の蕁麻疹,腹痛が出現した.生ブリと生カンパチのprick-to-prick testでは,生ブリは陽性,生カンパチは疑陽性であった.焼いたブリの食物経口負荷試験(OFC)では,全身の蕁麻疹,腹痛,煮たカンパチのOFCではアナフィラキシーが誘発された.自験例は,両魚種以外の魚類は摂取可能で,測定し得た魚類の特異的IgE抗体価が全て陰性であったことから,パルブアルブミンとは異なる両魚種に特異的なアレルゲンが原因と考えられた.限られた魚種にのみアレルギー症状を呈する患者が存在し,注意を要する.</p>

収録刊行物

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ