腸内細菌叢への介入によりアレルギーは予防できるのか

  • 高増 哲也
    神奈川県立こども医療センターアレルギー科

書誌事項

タイトル別名
  • Allergy prevention by intervening intestinal microbiota

抄録

<p>アレルギーは,本来無害な相手に対する免疫反応であり,その主な場となっているのは体の内と外との境界面である皮膚と粘膜である.腸内細菌叢は宿主であるヒトと共生関係にあり,腸管の免疫細胞に作用して免疫反応に影響を及ぼし,腸管上皮に作用してバリア機能にも影響している.アレルギー疾患の発症関連因子には腸内細菌叢の関与を示すものが多く,腸内細菌叢はアレルギーの発症に関与しているということができるが,腸内細菌叢への介入によりアレルギーを予防できるかという問いへの答えは簡単ではない.システマティックレビューによっては,プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の予防効果があるとされているものもある.しかしながら現在のアレルギー疾患関連のガイドラインでは,いずれもエビデンスが不足しており,プロバイオティクス,プレバイオティクスを予防の手段とすることは推奨できないとされている.現時点では腸内細菌叢への介入条件が明確とはいえないが,今後の検討の成果に期待したいところである.</p>

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参考文献 (26)*注記

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