嗅覚受容体技術および調和型消臭技術を用いた介護臭低減香料の開発

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タイトル別名
  • How Can We Reduce the Discomfort of Malodors in the Nursing Care Scene? Development of Novel Fragrance Using Olfactory Receptor Technology

抄録

<p>世界的な高齢化が急速に進み,それに伴って介護における臭いの問題は深刻さを増し,介護者・被介護者双方に多大なストレスを与えている。従来,多くの悪臭低減対策が施されてきたが,介護空間に漂う排泄物,体臭などのさまざまな強い悪臭成分により構成される特有の臭い(本研究では介護臭と定義)の効果的な消臭は容易ではなかった。本研究では,悪臭抑制技術として注目を集める嗅覚受容体(OR)技術と,悪臭と調和することでその不快感を軽減するハーモナイジング技術との組み合わせにより,介護臭の不快感を効果的に低減する香料の開発を目的とした。OR技術では,介護臭の主要構成成分である糞便臭のキー成分であるスカトールやインドールに応答するORの同定とそのアンタゴニスト香料を,一方,ハーモナイジング技術では糞便臭を取り込み,調和させることで快い香りに変化させる精油を探索した。両技術を組み合わせて開発した消臭香料は相補的な作用により,複雑な混合悪臭である介護臭の不快感を効果的に低減した。このようにして開発した新規消臭香料は臭いによるストレスを軽減し,介護者,被介護者を心身の健康を促し,QOLの向上に貢献すると期待される。</p>

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参考文献 (3)*注記

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