歯科治療に続発した皮下気腫の猫の1例

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タイトル別名
  • Subcutaneous Emphysema Caused by Dental Treatment in a Cat
  • シカ チリョウ ニ ゾクハツ シタ ヒカキシュ ノ ネコ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は猫,雑種,約7歳,去勢雄。1カ月前より,食欲の低下と流涎を認めるようになった。口腔内は,重度歯周炎が認められ,上顎犬歯は動揺していた。重度歯周炎による食欲低下と診断し,第30病日に全身麻酔下にて残存歯の全顎抜歯処置を行った。左下顎犬歯の抜歯処置中にスリーウェイシリンジを使用して処置したところ,左下顎の腫脹と捻髪音を認めた。X線検査では下顎に空気含気像を認め,皮下気腫と診断した。バイタルサインの悪化がないことを確認して処置を継続し,残存歯すべての抜歯処置を行った。処置後,セフォベシンナトリウム8 mg/kgの皮下投与を行った。術後3日目では捻髪音が認めたが,7日目には捻髪音は認めず,X線写真でも含気像は消失していた。創傷部に癒合不全等の問題は認めなかった。本症例より,スリーウェイシリンジを使用する際は,圧縮空気の排出方向,強さなど使用には十分な注意する必要があることがしめされた。</p>

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