多発空洞形成を伴った両側性肺化膿症の1型糖尿病合併透析患者の1例

  • 三木 郁
    イムス記念病院糖尿病・腎不全・透析センター
  • 斉藤 丈洋
    イムス記念病院糖尿病・腎不全・透析センター

書誌事項

タイトル別名
  • A case of bilateral pulmonary suppuration with multiple cavities in a type 1 diabetic hemodialysis patient
  • タハツ クウドウ ケイセイ オ トモナッタ リョウソクセイ ハイ カノウショウ ノ 1ガタ トウニョウビョウ ガッペイ トウセキ カンジャ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は61歳女性.21歳時に1型糖尿病を発症し,強化インスリン療法を開始した.56歳時に糖尿病性腎臓病による末期腎不全のため血液透析を導入.内因性インスリン分泌が枯渇しており,強化インスリン療法でも血糖コントロールは非常に不安定であり,FGM(flash glucose monitor)を装着した.透析中に呼吸苦を訴えたため,当院へ入院となった.胸部CTにて両肺に多発浸潤影を認めたため,肺炎と診断した.抗菌薬にて治療を開始したところ,第10病日の胸部CTで多発空洞形成を認め,肺化膿症と診断した.肺化膿症は肺葉を超えて多発することは非常に稀であり,一般的に一つの肺葉に留まる.肺膿瘍が急速に広範囲に進展したのは,本症例に特徴的である血糖変動が大きい1型糖尿病が要因と考えられ,さらに同時に不顕性誤嚥が関与した可能性があると考えた.論文検索した限り,過去に同様な症例報告はされておらず,貴重な症例と考え報告する.</p>

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参考文献 (24)*注記

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