エルドハイム・チェスター病が疑われ,治療に抵抗, 進行性に増悪し両眼失明に至った1例

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タイトル別名
  • A Case of Suspected Erdheim-Chester Disease with Optic Neuropathy, Exophthalmos, and Resistance to Treatment

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説明

<p> エルドハイム・チェスター病(Erdheim-Chester disease,以降ECD)は組織球症の一種で,眼窩病変を生じることがある希少疾患である.ECDが疑われ,治療に抵抗し,両眼の失明に至った症例を経験した.症例は70歳女性.初診1週間前から左視力低下を自覚した.MRIで左側眼窩先端部に腫瘤性病変を認め,左視神経症と考えられた.数か月の経過で両側の眼窩炎から兎眼をきたした.両涙腺にも腫大を認め,涙腺生検を施行した.免疫組織学的には,組織球症の一つであるECDに矛盾しない結果であった.典型的なECDでは,対称性の骨皮質硬化病変やMAPK経路の遺伝子変異を認めることが多いが,本症例では認めなかった.眼窩以外の病変は現在認められないが,今後骨病変などが現れる可能性があり,注意深い経過観察が必要であると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 40 (1), 44-49, 2023-03-25

    日本神経眼科学会

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