特発性眼窩炎症の臨床像

書誌事項

タイトル別名
  • Linical Characteristics of Idiopathic Orbital Inflammation

この論文をさがす

説明

<p> 2018年からの3年間に特発性眼窩炎症で受診中の患者13例(男性8例,女性5例,平均年齢45.3±19.4歳)の臨床上の特徴,治療予後について検討した.1例を除き片眼発症(92.3%)で,初診時6例(46.1%)が眼窩蜂巣炎として診断されていた.CRPは平均0.47±0.74 mg/dlで,外眼筋炎型が11例(84.6%)を占め,単筋のみの炎症が7例(63.6%)で最も多かった.罹患筋は外直筋7例で最も多く,上直筋4例,内直筋と下直筋がそれぞれ3例であった.眼球運動制限のパターンと発症から初診までの期間の関係では,麻痺型パターンの4例は17.0±14.1日,麻痺+拘縮型の2例は35.0±41.0日,拘縮型5例は93.0±115.0日と,発症後早期は麻痺型で,期間が延びると拘縮型に移行していた.ステロイド治療により全例で臨床症状の改善を認めたが,経過観察期間中2例(15.3%)がステロイド漸減中に再発した.後遺症は4例(30.8%)に認められ,3例に斜視,1例に視力障害が残存した.特発性眼窩炎症の特徴は,CRPが低値で,罹患筋が単筋(特に外直筋)であることがあげられた.</p>

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 40 (1), 32-37, 2023-03-25

    日本神経眼科学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ