On the Influence of Shakespeare’s Translated Plays in Yokomitsu’s Work

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  • 横光利一におけるシェイクスピア翻訳劇の影響
  • with a Focus on “Nichirin”
  • ── 「日輪」を中心に ──

Abstract

横光利一におけるシェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』の翻訳劇の影響は、今までほとんど論じられていない。「日輪」は、フロオベエル『サラムボオ』(博文館、大2・6)の影響を受けて書かれたというのが定説である。しかし卑弥呼とは、「日輪」というタイトルが示すように太陽のごとき古代の女王であり、そのイメージは翻訳文体の模倣という観点では説明ができない。横光はシェイクスピア翻訳劇と、その改作や引用といった翻訳現象から複合的に学んでいる。大正期にシェイクスピア戯曲とその翻訳現象がもたらした太陽神的古代女王という圧倒的なイメージであるクレオパトラ像が、卑弥呼のモデルとなったのではないか。

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