オリンピック・パラリンピックは東京に何を残すのか

書誌事項

タイトル別名
  • What Will Tokyo Be Left with after the Olympic and Paralympic Games ?

説明

<p>本稿は,2020年から2021年に開催が延期されたオリンピック・パラリンピック夏季大会が終わった後,東京に何が残されるのかを,過去の開催都市の経験をもとに検討する。スポーツメガイベントが開催された後に長期的に残される「レガシー」は,「イベント後に残存する計画的/非計画的,肯定的/否定的,有形/無形の構造」と定義され,短期的「インパクト」と区別される。まず,一般に喧伝される「経済効果」は,インパクトとしてもレガシーとしても期待できないが,このことを観光への影響を例に論証する。次に,都市開発による物理的構造変容は,経済成長を促さないにもかかわらず,都市の脆弱な生活者を疎外し,むしろ富裕層を利するため,社会的格差が拡大することを示す。最後に,J・ボイコフの祝賀資本主義論を参照し,格差を拡大しながら資本蓄積を促す権力構造こそオリンピック・パラリンピックのレガシーであることを示したうえで,同様の傾向が東京でも確実に進行していることを例証する。</p>

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 12 (3), 11-21, 2021-03-30

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014115883846656
  • DOI
    10.24533/spls.12.3_11
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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