意味論の方法-会計記号論からの一提言-

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タイトル別名
  • A Method of Semantics-A Suggestion Made by Accounting Semiotics -
  • イミロン ノ ホウホウ : カイケイ キゴウロン カラ ノ イチ テイゲン

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説明

会計を(言語を含む)広く「記号」の一つとみて、<意味とは何か>という古くて新しい問題に対し、<意味場>に焦点を当て、会計記号論の立場から意味研究の方法について考察を試みた。会計は、ある企業におけるある商品と貨幣との交換の場面を「取引」ととらえ、そこでの取引金額(貨幣金額)を語るというかたちで表現する。ここで、貨幣の<価値(意味)>が「交換価格」(取引金額)であるとするならば、会計はその取引金額としての<価値>を「勘定科目」を用いて語っていることになる。このような見方からすると、「勘定科目」のリストは(会計という「言語記号」圏で経済行為と結びつく)<意味>(あるいは<意味>)のリストとみることができる。そして、そのように考えることが可能であるならば、ここに、我々は、会計(記録)によって、<意味>のリストを手に入れたことになる。そこで、会計意味論の新解釈として、会計記録から「金額」を捨象し(評価・測定はいったん考察の対象から外し)、「勘定科目」の<意味>に注目して考察を進めることを「会計意味論」の研究領域の一つに加えることにした。会計意味論が<意味>を直接扱うことができることで、ここでの考察方法が、他の学問領域の意味研究に貢献することが期待される。

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