妊婦の身体活動に対する保健指導の縦断的観察

DOI
  • 曽山 小織
    石川県立看護大学母性・小児看護学講座 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻博士後期課程
  • 米田 昌代
    石川県立看護大学母性・小児看護学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Longitudinal observation of health guidance on physical activity during pregnancy

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抄録

本研究は,妊婦の身体活動に対する保健指導の実践内容と妊婦の実施状況を縦断的に明らかにした.妊婦健康診査を妊娠20週から40週まで録画または録音し,逐語録を作成した.身体活動の会話は5A’sモデルとThe Roter interaction analysis systemで分析した.対象は45歳の初妊婦1名であった.平均発話時間は医師41秒,看護師58秒,妊婦46秒であった.妊婦は休日に1時間の歩行習慣があり,医療専門職から歩行時間の延長,坂道で負荷をかけること,毎日運動することを保健指導された.妊婦はこれらを妊娠後期に実施した.医療専門職は健診ごとに生活習慣と医学的状態の情報収集を行っていたが,妊婦に関節痛があることは会話から引き出せなかった.身体活動の評価指標がないため十分に評価が行われず,妊婦に合った保健指導であるか判断できなかった.会話技術の向上と身体活動の評価指標の開発が必要である.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→ 妊娠に伴う体の変化に合わせた身体活動の保健指導をテーマにしている.身体活動の指標はガイドラインに提示されているが,具体的な方法の提示はないため,身体活動の保健指導の課題を調査した.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 身体活動の保健指導を妊婦に具体的な内容で実施することに貢献する.個々の妊婦に合った保健指導を行う医療コミュニケーションの改善にも貢献する.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→妊婦の身体活動を評価する指標の開発が必要である.

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