ウメ新品種‘麗和’と‘和郷’

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タイトル別名
  • New Japanese apricot cultivars ‘Reiwa’ and ‘Wagou’
  • ウメ シン ヒンシュ'レイワ'ト'ワキョウ'

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抄録

<p>ʻ麗和ʼとʻ和郷ʼは果樹茶業研究部門において育成されたウメ新品種である.ʻ麗和ʼは1998 年にʻ加賀地蔵ʼにʻ月知梅ʼを交雑し育成した実生から,ʻ和郷ʼはʻ剣先ʼに選抜実生のMM-43-22 を交雑し育成した実生から選抜したウメ品種である.ʻ麗和ʼとʻ和郷ʼは2008 年からウメ第3 回系統適応性検定試験に,ウメ筑波12 号とウメ筑波14 号として供試し,2020 年2 月の令和元年度果樹系統適応性検定試験成績検討会で新品種候補にふさわしいとの合意が得られ, 2022 年8 月17 日に登録番号29369 号および29370 号として種苗法に基づき品種登録された.ʻ麗和ʼとʻ和郷ʼともに花弁は白色であり,ʻ麗和ʼは八重で,ʻ和郷ʼは一重である.ʻ麗和ʼとʻ和郷ʼともに花粉を有し、自家和合性で結実良好である.育成地において,開花期はそれぞれ3 月12 日と3 月11 日であり,収穫期はそれぞれ6 月22 日と6 月18 日である.1 樹当たりの収量は11 ~13 年生樹の平均でそれぞれ22.7 kg と61.7 kg である.果実重はそれぞれ38 g と34 g 程度であり,果汁の滴定酸度は両品種ともに6.7%程度である.核重はそれぞれ2.7 g と1.7 g,核重率はそれぞれ7.1%と4.9%であり,ʻ和郷ʼはウメ品種の中では極めて核重率が低い.ヤニ果の発生は,両品種ともに少ない.ʻ麗和ʼの加工適性は,梅干しではʻ南高ʼより劣る評価となったがʻ白加賀ʼとは同程度であった.梅ジュースでは酸味が強く渋味があった.ʻ和郷ʼの加工適性は,梅干しではヤニ果が少ない時にʻ白加賀ʼより良い評価であるが、多いと評価が下がった.梅ジュースではʻ白加賀ʼとʻ南高ʼと同等かやや低い評価であった.</p>

収録刊行物

  • 農研機構研究報告

    農研機構研究報告 2023 (14), 9-18, 2023-03-31

    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

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