線毛機能不全症候群:from Clinic to Bench いつ疑い,いかに検査を進めるか

  • 竹内 万彦
    三重大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Primary ciliary dyskinesia: from Clinic to Bench—When we suspect and how to proceed the tests
  • センモウ キノウ フゼン ショウコウグン : from Clinic to Bench イツ ウタガイ,イカニ ケンサ オ ススメル カ

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抄録

<p>線毛機能不全症候群(primary ciliary dyskinesia: PCD)は,線毛に関連する遺伝子の変化(バリアント)により生ずる遺伝性疾患である。およそ2万人に1人の罹患とされている。</p><p>PCDの症状は年齢によって異なる。出産前ではエコーで内臓逆位が確認できる。内臓逆位のおよそ4分の1はPCDである。新生児期では正期産で出生したPCD患者の約75%は新生児呼吸窮迫を呈し,数日から数週間の酸素投与を要する。高頻度に多呼吸,咳嗽,肺炎をきたし画像で無気肺を認めNICUにて管理されることも多い。小児期では慢性湿性咳嗽が特徴である。肺炎を繰り返すことも多く,画像上無気肺を呈することもある。</p><p>診断は①鼻腔一酸化窒素産生量の測定,②鼻粘膜を擦過し,線毛の電子顕微鏡検査,線毛の免疫蛍光顕微鏡検査,高速ビデオカメラによる線毛運動の観察,③遺伝学的検査の順に行うのがよい。</p>

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