アトピー性皮膚炎に対して有効であった漢方薬の種類と頻度に関する後方視的検討

  • 磯部 哲也
    葵鐘会 Bell-net フォレストベルクリニック国際東洋医学センター 葵鐘会 Bell-net グリーンベル ART クリニック

書誌事項

タイトル別名
  • A Retrospective Study on the Types and Frequency of Use of Herbal Medicines that were Efficacious in Treating Atopic Dermatitis
  • アトピーセイ ヒフエン ニ タイシテ ユウコウ デ アッタ カンポウヤク ノ シュルイ ト ヒンド ニ カンスル コウホウ シテキ ケントウ

この論文をさがす

抄録

<p>アトピー性皮膚炎患者に対して当院で漢方治療を施した70症例を対象とし証を考慮して方剤選択を行った計237処方について集計した。</p><p>ステロイド外用薬が不要となった症例を「著効症例」,ステロイド外用薬使用量が漢方薬使用前から50%以上減少した症例+著効症例を「有効症例」とし,それらの割合を著効率,有効率と定義した。</p><p>全症例に対して有効率は温清飲56.3%>当帰飲子50.0%>荊芥連翹湯41.0%>他,著効率は温清飲25.0%>当帰飲子16.7%>梔子柏皮湯15.8%>荊芥連翹湯13.1%>他となった。</p><p>発赤タイプに対して有効率・著効率共に温清飲>梔子柏皮湯>荊芥連翹湯>他となり,湿潤タイプに対して有効率・著効率共に温清飲>消風散となった。</p><p>今後,証の判定が困難な状態で処方する必要に迫られた場合には温清飲を第一処方とし,第二処方として皮膚状態に基づき消風散,梔子柏皮湯,当帰飲子を選ぶべきである。</p>

収録刊行物

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ