仏教絵本『おしゃかさま どこに おいでになるの』 におけるブッダの表象-仏教絵本における武市八十雄の影響-

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タイトル別名
  • Representation of Buddha in the Buddhist Picture Book “Oshaka-sama dokoni oideni naruno” :The Influence of Takeichi Yaso-o on Buddhist Picture Books

抄録

1975年に月刊絵本「こどものくに」から発表された『おしゃかさま どこに おいでになるの』は、2月15日の涅槃会に関連した絵本である。この作品は、死んでしまったブッダの行方を探すうさぎが行く先々でブッダを感じる物語になる。表現されるブッダ像からは、「法身」と「色身」といった仏教思想が読みとれる一方で、仏教経典に記されるブッダの教えとは異なる点もある。それが「「わたしのからだは死んでも、わたしはいつもあなたたちと一緒にいますよ」と、いわれました」という解説文に記されるブッダの遺言である。このような「あなたと共にいるブッダ」を感じる物語の成立には、作者である三好碩也や、「こどものくに」編集長の安井淡と交流があった武市八十雄からの影響がある。至光社の月刊絵本「こどものせかい」で多数のキリスト教絵本を制作した武市は、感じる世界を絵本で表現しようとした。そのコンセプトが仏教絵本に反映されたのである。

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