在宅血液透析の診療報酬における戦略

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抄録

<p>在宅血液透析(HHD)は,対象が若年者かつ患者の高いスキルを前提としている在宅医療の中でもかなり特殊性の強い治療である.一方厚生労働省は在宅医療を中心に据えた地域包括ケアシステムの構築を進めているがこれには少なからず医療費削減という意図がある.</p><p>これまでの診療報酬改定では一人あたりの医療費が高い透析医療は常に医療費の削減対象であり,他から財源を持ってくるようなことは原則的にあり得ない.</p><p>そのような状況で,高齢者住宅に入居した透析患者に施設内で血液透析を行ういわゆる非自己管理型在宅血液透析をなし崩しにでも認めると,このような医師不在の安上がりな透析が施設透析に取って代わられる危険性が高いことを認識する必要がある.</p><p>HHDの診療報酬引き上げは容易ではないが,HHDが相対的に安価である,あるいは社会復帰に資する治療であるという理解が広まることで診療報酬上の配慮がなされる可能性はある.</p>

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