好酸球性副鼻腔炎術後の嗅覚評価法による相違性

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  • Differences in Methods for Olfactory Evaluation in Postoperative Eosinophilic Chronic Rhinosinusitis

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抄録

<p>嗅覚検査法として本邦ではT&Tオルファクトメーター(T&T)を用いた基準嗅力検査が一般的である。オープンエッセンス(OE)や日常のにおいアンケート票(SAOQ)による嗅覚評価では基準嗅力検査との相関性は高いとされている。手術加療を行った好酸球性副鼻腔炎(ECRS)105例を対象とし手術前および術後3か月で施行された各検査間の相関性,治療効果判定結果について検討を行った。T&T平均認知域値(T&T値)とOE,SAOQの相関係数は−0.81,−0.74であり強い相関を認めた。T&T値を基に回帰分析を行い,OE,SAOQの治療効果判定基準を設定し,症例ごとにT&T値,OE,SAOQそれぞれで治癒・軽快・不変・増悪の判定を行うと,OEおよびSAOQではT&T値に比べ治癒判定が多く軽快判定が減少する傾向を認めた。治癒・軽快(改善)と不変・増悪(非改善)に大別して各検査法での判定を行うと改善率はT&T値71.4%,OE 69.7%,SAOQ 62.2%となった。T&T値とOEでは改善/非改善の結果が不一致であったものは16例(16.2%),T&T値とSAOQでは23例(23.5%)であった。OEによる検査やSAOQを用いた自覚的評価はT&Tの結果をある程度反映しうるが,各検査間では結果に乖離が生じる場合があることに留意する必要がある。</p>

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