ADHD(注意欠陥/多動性障害)をもつ子どもへの教育心理学的支援について考える

説明

発達障害は、大きく知的障害のグループと自閉症を中核とするグループに分けられる。後者の自閉症を中核とするグループの3/4は知的障害を伴うタイプである。これを単に「自閉症」と呼んだり、提唱者の名前をつけてカナー型自閉症と呼んだりする。一方、自閉症を中核とするグループの残りの1/4は知的障害を伴わない、或いは軽い知的障害があるタイプである。知的障害を伴うタイプの発達障害は、通常、特別支援学校(知的障害)や通常学校の特別支援学級(固定式)に所属しているため、一般の教師が担当になることは少ないが、通常学校の通常学級や小中の特別支援学級(通級式:通級指導教室)の担任で問題となるのは、知的障害を伴わない、或いは軽い知的障害がある発達障害児である。具体的には、アスペルガー症候群、高機能自閉症、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)などである。この内、本研究では自閉症を中核とするグループ、すなわち自閉症スペクトラムの中から、ADHDに焦点を当てる。なお、本稿では、特に「教育心理学」の視点からADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠陥/多動性障害)児に対する学校での具体的支援の方法について、1.教室での接し方の工夫①通級指導教室での接し方の工夫[(a)注意力に関して、(b)衝動性に関して、(c)多動性に関して、(d)学習困難に関して、(e)不安定な情緒面に関して、(f)社会性に関して、(g)破壊的な行為に関して、(h)自尊心に関して]・②通常学級での接し方の工夫─TTが行えるクラスを想定して─[(a)注意力に関して、(b)衝動性に関して、(c)多動性に関して、(d)学習困難に関して、(e)不安定な情緒面に関して、(f)社会性に関して、(g)破壊的な行為に関して、(h)自尊心に関して]、2.通常学級で担任教師一人が教える場合の留意点①教室の環境・②子どもの座る位置・③机の並び方・④授業で留意したいこと[(a)教師の発問の仕方、(b)学習時に使用する教具、(c)授業時間について]を順次、検討・考察した。

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