世界における口唇口蓋裂患者の治療に関する多施設共同研究の流れ

DOI
  • 須佐美 隆史
    ひろい歯科・すさみ矯正歯科 東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科 日本口蓋裂学会Japancleft委員会
  • 佐藤 嘉晃
    日本口蓋裂学会Japancleft委員会 北海道大学大学院歯学研究院口腔機能学分野歯科矯正学教室
  • 奥本 隆行
    日本口蓋裂学会Japancleft委員会 藤田医科大学医学部形成外科学講座
  • 齋藤 功
    新潟大学大学院医歯学総合研究科歯科矯正学分野

書誌事項

タイトル別名
  • History of Intercenter Collaborative Studies for the Treatment of Patients with Cleft Lip and Palate in the World: Focusing on Dental Arch Relationships
  • —咬合評価を中心に—

抄録

口唇裂・口蓋裂患者に対する治療は,外科,矯正歯科,音声言語などの関連各科による長期にわたるチーム医療が行われる。治療の質向上や標準化を目指すには,多施設共同研究により各施設が治療結果を持ち寄り治療方法の違いを知り,科学的に治療結果を評価することが重要である。また,特定の治療の効果を評価するための症例数確保にも多施設共同研究は有利である。こうしたことから1980年代よりEurocleft, Dutchcleft, Americleft, Scandcleftなどの多施設共同研究が世界中で進められてきた。我が国においても2000年代に入ってから多施設共同研究の機運が高まり,2009年には日本口蓋裂学会にJapancleft委員会が設置され活動を続けている。 <br>多施設共同研究の意義は治療結果による施設のランク付けではなく,異なる治療プロトコールを知ること,科学的に治療結果を評価することを通じて情報を共有し,安全・確実で患者負担の少ない治療方法を模索することにあると思われる。本稿では,咬合評価の結果を中心に,これまでの世界および日本における多施設共同研究の流れを紹介し,今後の展望について考える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014426087427200
  • DOI
    10.11224/cleftpalate.48.1
  • ISSN
    21865701
    03865185
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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