東北大学病院顎口腔機能治療部における口唇裂・口蓋裂患者に対する歯科矯正用アンカースクリューの使用実態:非裂患者との比較
書誌事項
- タイトル別名
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- Clinical Survey of the Use of Orthodontic Anchor Screws for Cleft Lip and/or Palate Patients in Tohoku University Hospital: Comparison with the Conditions in Non-cleft Patients
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抄録
東北大学病院顎口腔機能治療部における口唇裂・口蓋裂患者(以下,CLP)に対する歯科矯正用アンカースクリュー(以下,OAS)の使用実態を把握するため,2014年4月から2021年3月の7年間にエッジワイズ装置による本格矯正歯科治療を行った患者について,非裂患者(以下,non-CLP)と比較して臨床統計学的調査を行った。 <br>1.対象となるCLP群は62名(男女比1:1),non-CLP群は53名(男女比1:2.5)であった。 <br>2.CLP群の裂型分布は唇裂6.5%,唇顎裂27.4%,唇顎口蓋裂43.5%,口蓋裂22.6%であった。不正咬合の種類は反対咬合,叢生,上顎前突の順で多かった。Non-CLP群の不正咬合の種類は上顎前突,反対咬合,先天欠如の順で多かった。 <br>3.平均植立年齢はCLP群17.1歳,non-CLP群は19.2歳で,CLP群はnon-CLP群より有意に若年であった。 <br>4.植立部位は上顎臼歯部頬側が最も多く,CLP群で51.7%,non-CLP群で40.6%を占めていた。次いで下顎臼歯部頬側が多かった。 <br>5.対象となるOASは計331本であり,CLP群の176本の内訳は植立成功143本,脱落33本で全体の成功率は81.3%であった。Non-CLP群の155本の内訳は植立成功124本,脱落31本で成功率は80.0%であった。CLP群とnon-CLP群との間で成功率に有意差は認められなかった。 <br>6.各群において,植立部位,年齢,性別,OASの直径や長さによる成功率の有意差は認められなかった。また,CLP群とnon-CLP群との間で,それぞれの要因別成功率に有意差は認められなかった。
収録刊行物
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- 日本口蓋裂学会雑誌
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日本口蓋裂学会雑誌 48 (1), 43-51, 2023
一般社団法人 日本口蓋裂学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390014426087444992
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- ISSN
- 21865701
- 03865185
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可