逆行性A型大動脈解離に対するPETTICOAT technique併用TEVARの1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case Report of TEVAR With PETTICOAT Technique for Retrograde Type A Aortic Dissection
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説明
<p> 下行大動脈にentryを有する逆行性A型大動脈解離(RTAAD)は,胸骨正中切開によるcentral repairではentryを切除することができず,胸腹部人工血管置換術といった侵襲的な治療を必要とする場合もあり,下肢虚血などの血流障害を有する場合は虚血再灌流するまでに時間を要する可能性がある.症例は37歳男性.突然の胸背部痛で救急外来を受診した.造影CT画像検査で上行大動脈から両総腸骨動脈(CIA)まで大動脈解離を認め,entryはTh.8レベルの下行大動脈に,re-entryは右CIAに存在し,RTAADと診断した.上行大動脈の偽腔は完全に血栓化していたが,下行大動脈以下の真腔の狭小化による下肢虚血を認め,緊急手術によるエントリー閉鎖が必要であると判断した.手術は,PETTICOAT technique(TX-D 46-164 mm)併用胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR C-TAG 26-150 mm)を施行し,エントリー閉鎖と下肢血流の改善を確認した.本治療は従来の外科手術に比べ,より低侵襲かつ迅速な治療を可能にしたと考える.今後は,endoleakやre-entryの血流による残存解離腔拡大などを画像評価し,遠隔期の合併症や再介入の必要性を経過観察し評価していくことが重要と考えられた.</p>
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 54 (4), 499-503, 2022-04-15
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390014436827894144
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可