微小細胆管細胞癌と肝細胞癌の同時性重複癌の1切除例

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  • Synchronous Double Primary Hepatic Cancer: Hepatocellular Carcinoma and Small Cholangiolocellular Carcinoma

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抄録

<p>症例は61歳,男性.検診の腹部超音波検査で肝S6に腫瘤性病変が指摘されたため,当科に紹介となった.肝炎ウイルスマーカーは陰性で,腫瘍マーカーではPIVKA-Ⅱのみが86mAU/mlと上昇していた.同腫瘤は造影CTで早期濃染,後期相でwash outされており,EOB-MRIの肝細胞相では低信号を呈していた.他には明らかな腫瘤性病変を認めず,単発の肝細胞癌と診断して手術を施行したが,術中,主腫瘍近傍に約3mm大の微小結節を認めたため,この結節を含む肝部分切除を行った.病理組織学的に,主腫瘍は中分化型肝細胞癌と診断されたが,微小結節は細胆管類似の構造であり,免疫組織学的にCK7,CK19,NCAMおよびc-kitは陽性で,特にEMAは小管腔構造の腺腔側のみ陽性であり,細胆管細胞癌と診断した.細胆管細胞癌と肝細胞癌の同時性重複癌の症例を経験したので報告する.</p>

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