幅広植毛歯ブラシによる人工プラーク除去時の,効率的な歯ブラシヘッドスピードおよびブラッシング幅の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Investigation of Effective Toothbrush Head Speed and Brushing Width in Artificial Plaque Removal with Wide-flocked Toothbrush
抄録
<p> 目的:徹底した歯肉縁下のプラークコントロールは,歯周炎の治療を成功に導くために必須である.近年,効率的なプラークコントロールを目的に幅広植毛歯ブラシが普及し始めている.そこで,本研究では,幅広植毛歯ブラシを用いて効果的にスクラッビング法を行う際の最適条件を検討するため,顎模型上の人工プラーク除去実験を行った.</p><p> 材料と方法:歯ブラシは,幅広植毛歯ブラシ(片先細植毛)と幅広植毛歯ブラシ(フラット毛)を用いた.プラーク除去の評価は,顎模型人工歯の歯肉縁上と歯肉縁下の人工プラークをスクラッビング法で除去し,前後の人工プラーク付着面積の変化を評価した.ブラッシングの条件は,荷重200g重,ストローク数は30回と一定にして,ブラッシングのストローク幅5mm,15mmとストローク数は毎分180回,300回として摺動試験機を用いて実験を行った.得られたデータはブラッシング前後の人工プラークの除去率を比較し,Mann-Whitney U検定と多重比較検定(Steel-Dwass test)により統計解析を行った.</p><p> 結果:幅広植毛歯ブラシのプラーク除去効果は,ブラッシングのストローク幅とストローク数に関係があり,歯肉縁上プラークでは,ストローク幅5mm,ストローク数180回で除去率18.6%に対して,ストローク幅15mm,ストローク数180回の除去率は33.5%で統計学的に有意に高かった.また,歯肉縁下プラークの除去効果をストローク幅15mm,ストローク数180回の条件下で幅広植毛歯ブラシフラット毛と比較した結果,片先細植毛の除去率は19.1%,フラット毛の除去率12.7%と統計学的に有意に高かった.</p><p> 結論:幅広植毛歯ブラシの歯肉縁上における至適ブラッシング操作は,ストローク数毎分180回,ストローク幅15mm,すなわち30往復/10秒程度のスピードが効果的であった.また歯肉縁下におけるブラッシング操作は,幅広植毛歯ブラシのフラット毛と比べて片先細植毛のほうが効果的にプラークの除去が可能なことが示唆された.</p>
収録刊行物
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- 日本歯科保存学雑誌
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日本歯科保存学雑誌 66 (2), 124-130, 2023-04-30
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390014558853890176
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- ISSN
- 21880808
- 03872343
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可