広範囲な無頭蓋症を伴う羊膜索症候群の長期生存例

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  • A case of amniotic band syndrome with extensive acrania

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抄録

<p> 症例は在胎38週0日で出生した男児.妊娠25週時の胎児超音波検査で無頭蓋症が疑われて当院に紹介された.精査で頭蓋骨は前頭部までしか同定できず,脳組織は膜様の構造物に包まれ,羊水中に浮遊していた.予定帝王切開で出生し,無頭蓋症,脳瘤,指趾欠損・絞扼輪を認め,胎盤病理では広範囲に卵膜が欠損しており,羊膜索症候群による無頭蓋症と診断した.けいれん発作や頭部からの髄液漏出に伴う感染に対しての内科的加療を行い,1歳9カ月時に脳瘤,脳室拡大に対して髄膜脳瘤修復術,脳室腹腔シャント術を施行した.現在は在宅管理に移行した.広範な無頭蓋症の胎内診断例は,妊娠中断や胎児死亡に至ることが多い.無脳症や他の大きな内臓異常を伴わない無頭蓋症には長期生存の可能性が示唆され,症例の蓄積が必要である.</p>

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