日本のライチョウ<i>Lagopus muta japonica</i>における排泄糞DNAを用いた非侵襲的なPCR性判別法の確立

  • 山本 彩織
    岐阜大学大学院連合農学研究科
  • 楠田 哲士
    岐阜大学大学院連合農学研究科 岐阜大学応用生物科学部
  • 小林 篤
    一般財団法人中村浩志国際鳥類研究所
  • 松村 秀一
    岐阜大学大学院連合農学研究科 岐阜大学応用生物科学部
  • 白石 利郎
    横浜市繁殖センター
  • 土井 守
    岐阜大学大学院連合農学研究科 岐阜大学応用生物科学部
  • 中村 浩志
    一般財団法人中村浩志国際鳥類研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Non-invasive PCR-based sex identification using DNA extracted from feces of wild Japanese Rock Ptarmigan <i>Lagopus muta japonica</i>
  • 日本のライチョウLagopus muta japonicaにおける排泄糞DNAを用いた非侵襲的なPCR性判別法の確立
  • ニホン ノ ライチョウ Lagopus muta japonica ニ オケル ハイセツ フン DNA オ モチイタ ヒシンシュウテキ ナ PCRセイ ハンベツホウ ノ カクリツ

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抄録

<p>非侵襲的な試料として排泄糞を用いたニホンライチョウLagopus muta japonicaのDNA性判別法の確立を試みた.まず,性別既知のスバールバルライチョウL. m. hyperboreusの血液由来DNAを用いて,他のライチョウ類での性判別報告があるプライマー2550F/2718RとP2/P8が利用可能かを検討した.PCR後の電気泳動にて増幅断片長の差が明瞭であった2550F/2718Rが本種の性判別により適していた.次に,2550F/2718Rからの増幅産物のシーケンスデータをもとに,標的領域を短くしたプライマーLm-F/Lm-Rを設計し,2550F/2718RとLm-F/Lm-Rも用いて,生息地で採取したニホンライチョウ糞132検体で性判別を行った.増幅断片から性判別ができた検体は2550F/2718Rで68検体,Lm-F/Lm-Rで89検体であった.性判別ができた検体での採取時の外観情報との一致率は,2550F/2718Rで88.2%,Lm-F/Lm-Rで85.4%であった.Z染色体由来バンドの出現率は,2550F/2718Rで43.6%であったのに対し,Lm-F/Lm-Rでは64.4%となり,PCRの増幅成功率の向上が認められた.増幅の標的領域を短くすることで,性判別効率を向上させることができた.</p>

収録刊行物

参考文献 (23)*注記

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