凍結同種保存骨移植を脊椎固定術へ使用した経験

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抄録

<p>【はじめに】当科では,2010年から股関節手術で採取した大腿骨頭を用いて同種骨移植を行っている.本研究の目的は,脊椎手術における同種骨移植の有用性を検討することである.【方法と対象】2016~2017年に脊椎固定術に同種骨を使用した12例中,術後6ヵ月以上経過観察可能であった10例を検討した.男性4例,女性6例,手術時平均年齢48.7歳(4~76歳),経過観察期間は48.1ヵ月(9~68ヵ月)であった.【結果】手術部位は頚椎が5例,胸椎が1例,腰椎が4例であった.術式は,脊椎後側方固定術が7例,腰椎椎体間固定,腫瘍掻爬後骨移植が各々1例であった.骨癒合を確認できた症例は5例(50%)であった.癒合不全による再手術は2例(20%)あったが移植部異常反応や感染は認めなかった.【まとめ】同種骨は骨伝導能を有するものの,骨形成能・骨誘導能がほとんどないため,単独使用では確実な骨癒合が得られない可能性もある.自家骨や骨髄液を混合するなど工夫が必要と考えられる.</p>

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