左手掌部に発生した稀な腫瘤の1例

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抄録

<p>60歳,女性,関節リウマチで内服治療中(MTX,PSL,DMARDs)である.現病歴は5か月前に左母指部の疼痛と外転制限を自覚し,2か月前に母指球筋部の腫脹を認めた,近医で施行されたMRIで左手掌部の軟部腫瘍が疑われ当院へ紹介された.初診時,左母指球筋部に腫瘤を触知し,母指掌側外転25°,橈側外転35°と制限を認めた.単純X線像で第一指間部に軟部陰影の増強を認めた.MRIで母指球筋深層にT1強調像で低信号,T2強調像で内部が不均一な高信号を呈する30×45 mmの腫瘤性病変を認めた.悪性軟部腫瘍などを疑って行った切開生検では,腱滑膜巨細胞腫に矛盾しない所見であったため,3か月後に掌側より切除生検術を行った.外観は被膜を有さず周囲組織との境界は不明瞭な腫瘤性病変で,可及的切除となった.免疫染色でLCA,CD20,EBER,CD30陽性でMTX関連リンパ増殖性疾患と診断され,MTX内服を中止した.術後1年,腫瘤は縮小しPET-CTで集積なく寛解が得られている.</p>

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