レガシーの課題と機会
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- キラコシアン リュシエナ
- バージニア工科大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Legacy Challenges and Opportunities:
- Comparing the Rio 2016 and Tokyo 2020 Paralympics
- リオ2016パラリンピック大会と 東京2020パラリンピック大会を比較して
抄録
パラリンピック競技大会の成功とレガシープランを持続可能な成果とレバレッジ戦略に転換するには,これまでの大会それぞれに固有の課題と機会が数多くあった。本稿では,リオ2016パラリンピック競技大会と東京2020パラリンピック競技大会の主催者がそうした課題や機会にどのように対処したかを比較検討する。リオ2016大会のプランニングは,政治経済危機,リオ2016大会の予算削減,環境や衛生の問題,ジカウイルス感染症,汚職スキャンダル,リオの財政破綻,国内の治安問題,リオ2016大会費用の肥大化,オリンピック大会とパラリンピック大会の不平等な扱いなど,ブラジルがとりわけ混乱期にある中で進められた。その結果,公文書に明記されたインクルージョンとダイバーシティの理念が,大会開催における実践レベルで効果的に実現されることはなかった。一方,東京2020オリンピック・パラリンピック大会は,世界規模のパンデミックの最中に開催された。それでも1年の延期を経て,8億ドル近くにのぼるチケット収入の損失や一般市民の大会開催反対,さらにはコストの急増,ほぼ無観客のスタジアム,歓声もない屋外会場など,COVID-19に関連した困難な問題に対処しての開催であった。とはいえ,東京大会は,マスコミを取り込み,障がい政策や「バリアフリー」アクションプランに影響を及ぼし,意識啓発・変革そして障がい者のための機会拡大に向けた国際的な動きを引き起こすなど,パラリンピック大会が果たし得る意識向上の可能性を示すモデルを提示した。リオと東京のパラリンピックがそれぞれにもたらした課題と機会に各開催都市がどのように対処したかを比較分析したところ,背景要因と開催意欲の重要性が浮き彫りになった。さらに,リオ2016パラリンピックの場合,東京大会とは異なり,開催前,開催中及び開催後において主催者側によるレバレッジ計画やその実践がほとんどなかった。リオでは,そのことが,背景特性と相まって,レガシー創生のプロセスを抑制した。結局のところ,一連の課題に主催者が十分に対処しなかったことで,リオにおいても東京においてもパラリンピックの持続的なレガシーを構築する機会を失うこととなった。分析に基づき,本稿では最後に,透明性の高い参加型の政策策定に向けてエビデンス基盤を構築するための教訓を見極め,パラリンピック大会及びそのレガシー創生のあらゆる側面から学ぶ。
収録刊行物
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- 日本財団パラリンピックサポートセンターパラリンピック研究会紀要
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日本財団パラリンピックサポートセンターパラリンピック研究会紀要 19 (0), 167-190, 2023
公益財団法人 日本財団パラスポーツサポートセンター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390014648128110720
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- ISSN
- 2434429X
- 24326100
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可