ダンサーの舞踊観変化に表れた舞踊の熟達と自己調整学習との関連:

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The relationship between dance proficiency and self-regulated learning as expressed in dancersʼ changing views of dance:
  • From a comparison between dance students and professional dancers
  • 舞踊専攻生とプロダンサーの比較から

抄録

舞踊における熟達は,運動スキルの獲得だけでなく表現スキル・上演スキルともいえる芸術表現としての熟達も考慮する必要があり,その熟達過程には上演芸術ならではの特性があると予測される.本研究ではジマーマンの自己調整学習(SRL)に着目し,特に準熟達者としての学生ダンサーと,熟達者としてのプロダンサーへの質的調査の結果を基に,プロとしての熟達を促進する要因について,自己調整学習(SRL),特に共調整と社会的に共有された自己調整学習(SSRL)の視点から考察した.PAC 分析及びインタビュー調査の結果から,プロダンサーは作品創作経験および公演活動における他者との社会的かかわりによって,自らの舞踊観で重視する要素を変容させていることが示唆された.特に芸術としての舞踊の表現性や,舞踊への主体的な向き合い方の熟達は,舞踊集団に所属しSSRL を経験することによって促進されると考えられる.プロダンサーの自己調整学習(SRL)としての熟達過程においては,振付家や仲間のダンサー,観客などとのコミュニケーションによって,①共調整,② SSRL,③さらなる自己調整,というサイクルが活性化されることが示唆されたといえる.以上から,プロダンサーはSSRL による自己調整方略の使用によって,プロとしての舞踊表現を熟達させていくことが考察された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014735381582592
  • DOI
    10.34518/rjsp.15.0_83
  • ISSN
    21871787
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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