分子内および分子間水素結合を有するポリジアセチレンの色調変化と熱安定性

  • 中村 純也
    大阪市立大学大学院工学研究科化学生物系専攻
  • 畑 敏達
    大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻応用化学分野
  • 鈴木 祥仁
    大阪公立大学大学院工学研究科物質化学生命系専攻応用化学分野
  • 松本 章一
    大阪公立大学大学院工学研究科物質化学生命系専攻応用化学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Color Change and Thermal Stability of Polydiacetylenes Containing Intermolecular and Intramolecular Hydrogen Bonds

抄録

<p>ポリジアセチレン(PDA)の加熱による色調変化挙動を明らかにするため,アルキル鎖長やメチレンスペーサー長が異なり,かつ分子間あるいは分子内で水素結合を形成可能なカルボン酸やアミド結合を含むPDAの紫外可視ならびに赤外吸収スペクトルの温度依存性を検討した。PDA分子間でカルボン酸2量体を介して形成される分子間水素結合はPDAを安定化する効果を示し,メチレンスペーサーの炭素数に応じて異なる熱応答性を示した。一方,共役主鎖方向に沿った一次元水素結合が形成するアミド結合を側鎖に含むPDAは,熱安定性に乏しいことがわかった。カルボン酸およびアミド結合の両方を含むPDAは,分子内ならびに分子間水素結合による熱安定化の作用を最も顕著に発現し,130℃以下の温度域で青相から赤相への可逆的な色調変化が可能であることを見いだした。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 96 (5), 155-162, 2023-05-20

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (49)*注記

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