令和4年台風第14号による宮崎県の山地災害の特徴
書誌事項
- タイトル別名
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- Characteristics of rainfall-triggered landslides in Miyazaki by typhoon Nanmadol
抄録
<p>九州の西側を台風が通過した際は,九州の東側で大雨になり,その範囲は,ほぼ宮崎県の範囲と一致する。令和4年台風14号は,このコースを通り,宮崎県内に多数の山地災害(斜面崩壊や土石流)を発生させた。本研究では,宮崎県全域を対象に,崩壊分布図(LIM)を作成し,その決定要因を明らかにすることを目的とした。LIMの作成には,インターネット上や報道情報に加え,衛星画像(Sentinel-2 Level-2A)から計算したNDVIを用いた。また,1~72時間最大降水量を,地上降水量データの空間補間から県内全域について計算した。この降水量を,宮崎県に,より大きな被害をもたらした平成17年台風14号のものと比較した結果,R4の短時間降雨はH17と同程度であったが,長時間降雨は,H17には及ばなかった。崩壊地の降雨量は,低降雨域には分布していないものの,明確に高降雨域に片寄っていた訳でもなかった。一方,台風前の現地の状況を空中写真から確認したところ,半数以上で,「荒廃地」「伐採地」「拡大崩壊」「林道が起点」など,なんらかの特徴が見られた。このことから,降雨分布だけでなく,場の特性が崩壊分布に大きな影響を及ぼした可能性がある。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 178-, 2023-05-30
日本森林学会