畑の畝形状のリモートセンシングから防風林の風食防止効果がわかる
書誌事項
- タイトル別名
-
- Remote sensing of soil ridge shape reveals windbreak effects on wind erosion
抄録
<p>北海道では農業の効率化に伴い、農家の所有する内陸防風林が著しく減少している。地域における防風林の保護意欲を高めるには、その効果の可視化が有効であるが、風食防止効果の面的な把握は困難であった。そこで本研究では、植付前に均質な形状で作られ、風食により変形するジャガイモ畑の畝に着目し、その形状をリモートセンシングで測定することで、風食防止効果の可視化を試みた。観測は2022年春に北海道芽室町内の圃場で実施した。防風林からの距離の異なる6地点で風速観測した結果、風食日の風速は防風林から40~60mの距離で最小であった。風食後に、圃場全体におけるUAV-SfM測量と、風速観測した6地点におけるiPad LiDARを用いた畝の形状測定を実施した。その結果、両手法で防風林から離れた地点と比べて防風林の減風域の畝の高さが高かった。以上から、畝形状のリモートセンシングにより、防風林の風食防止効果を面的に把握できることがわかった。さらに、iPad LiDARのデータから3Dプリンタで畝の立体模型を作製したところ、防風林からの距離による畝形状の高さの違いが明瞭に認識でき、防風林の風食防止効果の普及に有用であった。</p>
収録刊行物
-
- 日本森林学会大会発表データベース
-
日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 177-, 2023-05-30
日本森林学会