UVから緑色光へ変換するフィルムがカラマツコンテナ苗の成長に与える影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of UV-to-Green wavelength conversion material film on the growth of Japanese larch container seedlings

抄録

<p>カラマツは北海道の再造林面積の約半分を占める主要な造林樹種である。苗木生産システムの省力化に向けた育苗期間の短縮のために、成長を促進するための技術開発が求められている。発光性希土類錯体は紫外光を可視光へ変換できる波長変換資材で、透明化処理してフィルムに塗布することで育苗フィルムとして利用が可能である。植物は光合成色素が吸収する光を利用して光合成を行い、その中で緑色光は光合成色素による吸収効率は劣るが、葉の深層まで透過して乱反射により吸収されて光合成に利用されるため、表層での強光阻害のリスクが低く、光合成速度を向上させる可能性がある。本研究は、緑色発光フィルムを利用して、カラマツコンテナ苗の成長に与える影響を検討した。温室内で2月末に播種したカラマツを4月末に室外に出してフィルム処理を始めた。10月末まで苗高と地際直径は約1.2倍、個体量は約1.5倍の成長促進の効果を示した。晴天日に光化学系Ⅱの最大量子収率を調べ、対照区に比べて処理区で5%有意に高かった。したがって、緑色発光フィルムはカラマツの光合成の光阻害を緩和することで光合成速度を増大させることで成長を促進する有望な資材である可能性が示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998471040
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_362
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ