人工林皆伐地における大型草食獣の採餌量の推定

DOI
  • 酒井 敦
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 高橋 裕史
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 相川 拓也
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of foraging for large herbivores in clearcut areas of coniferous plantations

抄録

<p>東北地方はニホンジカの生息地域が拡大しており、林業被害が無視できない状況になりつつある。「皆伐地はシカの餌場になる」という言説を実証するため、皆伐地における大型草食獣の餌資源量を推定した。シカ生息密度の多い場所からほとんどいない場所にかけて、岩手県内の3か所の人工林皆伐地(川井、虫壁、矢櫃)に試験地を設け、それぞれ2か所に防護柵を設置した。防護柵外の食痕を観察して、柵内の植生を同じように刈り取る作業を、7月から11月にかけて約2週間に1回行った。川井試験地は伐採から1年経過してシカの忌避植物が繁茂しており、これらが葉を落とし始める9月上旬から急に他の植物の食痕が増え始めた。虫壁試験地では皆伐直後で植生が少なく、調査開始からコンスタントに食痕がみられた。矢櫃試験地は皆伐直後であるがシダや草本が多く、最初はまったく食痕がなかったが、8月下旬からムカゴイラクサのみ激しく食べられた。自動撮影カメラの画像から、これはカモシカによる食痕と考えられた。これらの皆伐地で食べられた植物の生重は150~350 kg/haと推定された。これにはカモシカの採食量も含まれており、シカの出現頻度と採食量との関係は明瞭でなかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998478720
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_332
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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