旧薪炭ブナ林における間伐がブナ実生の生存・成長に与える影響

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タイトル別名
  • Effects of thinning on survival and growth of beech seedlings in the secondary beech forest

抄録

<p>多雪地に広く分布する旧薪炭ブナ林は用材林として持続的に活用することが期待されており、伐採後の確実なブナ林再生手法が求められている。本研究では天然更新に着目し、ブナ実生の生存率・伸長量に対する伐採と周囲の環境による影響を明らかにする。調査地は新潟県魚沼市大白川の旧薪炭ブナ林とした。豊作により2019年春に芽生えたブナ実生を調査対象とした。調査林分では2019年初夏、2020年秋、2021年秋に用材生産のための主伐・間伐が行われた。2020年夏に各年の伐採区・未伐区を含む150m四方の調査区を設置、10m格子上に1m方形区を計256個設置し、3年間調査した。各ブナ実生の生存率・伸長量を目的変数、方形区内の光、周囲の伐採強度、伐採後の経過年数、前年の実生全長、調査年を説明変数、方形区を変量効果としてGLMMにより解析した。生存率は伐採強度が大きいと伐採翌年に低下したが、2年経過すると増加した。伸長量は伐採から2~3年経過すると未伐採時と比較し増加した。また、明るいほど生存率は低下し、伸長量は増加した。以上より、伐採は短期的には生存率を減少させるが、光環境の改善により成長を促進し、長期的には天然更新の可能性を高めると考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998490752
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_363
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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