ヒナウチワカエデとコハウチワカエデの交雑実態―葉の形質と葉緑体DNA解析

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タイトル別名
  • Hybridization between <i>Acer tenuifolium</i> and <i>Acer siboldianum</i> : Leaf traits and analysis of chloroplast DNA

抄録

<p>ヒナウチワカエデ(Acer tenuifolium)とコハウチワカエデ(A. sieboldium)は本州・四国・九州に分布する日本固有種である。核マイクロサテライトマーカーを用いた先行研究(齊藤・芝野 2020)では両種の交雑の可能性が示唆されており、本研究では葉緑体DNAシーケンスと葉の形質比較から両種の交雑を検証することを目的とした。材料として、東京大学秩父演習林入山で採取したヒナウチワカエデとコハウチワカエデの葉を用いた。次世代シーケンサーから得た配列を基に2種の識別可能領域と考えられた葉緑体DNA2領域計1115bpについて、シーケンスを行い塩基配列の変異を基にハプロタイプを決定した。また各個体あたり4-5枚の葉について、1枚当たり4か所の葉のトライコームの計測とImageJを用いた形態測定を行った。本研究で検出した葉緑体ハプロタイプは4つで、優占するハプロタイプは2種で異なるが、2つのハプロタイプを共有していた。核DNA分析から雑種と推定したサンプルはどちらも形態から推定した種のハプロタイプであった。よって両種の交雑は否定されなかったが、調査地においては葉緑体DNAの浸透の可能性は低いと考えられた。今後、形質比較からも交雑の可能性を考察する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998504448
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_406
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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