林床植生除去に対する森林土壌の窒素動態の中長期的な応答

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タイトル別名
  • Medium to long-term response of forest soil nitrogen dynamics to the removal of understory vegetation

抄録

<p>ササ類の消失が森林土壌の窒素動態に及ぼす中長期的な影響を解明するため、ササ地上部除去開始後5年以上経過した森林において、土壌中の無機窒素量と正味の窒素無機化速度を測定した。調査は北海道北部に位置する北海道大学中川・天塩研究林内の天然性冷温帯林にてミズナラ対象木の周囲にプロットを設定し、ササ除去区と隣接する対照区との間で比較した。中川サイトではクマイザサ、天塩の天然林サイトではチシマザサが林床に密生していた。また天塩では皆伐跡地のクマイザサ群落においても調査した。2022年7月~8月に表層10㎝土壌を採取し、アンモニウム態・硝酸態窒素量 (NH4-N, NO3-N) を測定した。また室内培養 (30℃・28日) 後に同様に測定し、初期値との差から正味のNH4-N・NO3-N生成速度とその合計の窒素無機化速度を定量した。全体的にNH4-Nが土壌無機窒素の優占形態であった。土壌中のNH4-N, NO3-N量に処理区間で有意な差はなかった。ササ除去処理は正味のNH4-N生成速度および窒素無機化速度に負の影響を及ぼした。以上からササ消失は中長期的には無機窒素生成に抑制的に作用することが示された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998593024
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_489
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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