森林源頭域における渓流水質に及ぼす土壌化学性の影響

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タイトル別名
  • Effects of soil chemical properties on stream chemistry in forest headwater catchments

抄録

<p>森林源頭域の渓流水は、より清潔な水質を安定して得られることが望ましく、その水質形成機構を把握し森林管理に活かしていく必要がある。本研究では、神奈川県相模原市の貝沢流域スギ・ヒノキ人工林の源頭域において、渓流水質の特徴と養分移動に影響する要因を検討した。2020~2022年にかけて2・3カ月に1度、14ヶ所の源頭域採水点から、pH、EC、水温、陰・陽イオンなどを測定した。また、各採水点近傍の植生、地温、土壌の窒素無機化速度(Nmin)、pH、C/N比、リターの水溶性および総ポリフェノール(PP)などを調査した。PP類は土壌中のタンパク質と結合し難分解性物質を生成、Nminを低下させると考えられている。その結果、極端にNminが小さい採水点で硝酸濃度が低く、リターのPP濃度が高い傾向がみられ、PPのNmin低減作用が渓流水に及んでいる採水点があった。一方で、リターのPP濃度が同程度に高くても、Nminや硝酸濃度が必ずしも低くない採水点も存在し渓流水の硝酸濃度とNminやPP濃度に明瞭な相関性はみられなかった。発表では、他の環境要因やイオン濃度との関係も解析し、源頭域での渓流水質形成について議論する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998595456
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_501
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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