スギ・コナラの各部位およびリターに対する放射性セシウムの浸出試験

DOI
  • 眞中 卓也
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 荒木 眞岳
    林野庁森林整備部研究指導課
  • 大橋 伸太
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 今村 直広
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 坂下 渉
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 小河 澄香
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 小松 雅史
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 阪田 匡司
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 篠宮 佳樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Radiocesium leaching experiments for different parts and litter from Japanese cedar and konara oak stands

抄録

<p>福島第一原発事故により、福島の森林域に大量の放射性セシウム(137Cs)が沈着した。事故から10年以上が経過した現在、137Csの大部分が鉱質土層表層に固定されているものの、森林生態系内の137Csの循環(樹木の根を介した土壌中の137Csの吸収→樹体内の転流→落葉などを介した土壌への移行)は続いており、林業や森林利用になお大きな影響を与えている。本研究では、スギとコナラを対象に、枝や葉などの樹木各部位やリターに含まれる137Csの動きやすさに注目する。これらの試料に一旦取り込まれた137Csが、雨水や土壌水などによってどの程度再流出し、森林生態系内を循環し得るのかを、純水および酢酸アンモニウム溶液(酢安)による137Cs抽出率を指標とし評価を行った。浸出試験の結果、全ての試料で、純水より酢安の方が137Csの抽出率は高かった。部位による違いについては、葉・枝の抽出率は同程度だったのに対し、特にスギの外樹皮で抽出率が低く、137Csが動きにくい状態で残存していると考えられた。樹種による違いについては、スギよりコナラの方が、全般的に抽出率が高かった。ゆえにコナラでは137Csがより活発に循環している可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998632448
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_55
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ