染料トレーサーを用いたスギ林土壌中放射性セシウムの空間分布の評価

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タイトル別名
  • Evaluation of the Spatial Variation of Radiocesium Using Dye Tracer in a Cedar Forest Soil.

抄録

<p> 福島第一原子力発電所事故後の森林除染によって、持ち出された放射性Csの分以上に空間線量が低下する事例が確認された。これは伐採により土壌中のCs-137の下方移行が促進したためと予想され、その理由の1つに選択流があげられる。そこで、本研究では、間伐前のスギ林において染料トレーサーを用いた人工降雨実験を行い、深度別の染色・非染色土壌を調査し、Cs-137の空間分布に対する選択流の影響を調べることを目的とした。</p><p> 調査地は列状間伐が実施された南相馬市冬住のスギ人工林(初期沈着量720kBq/m2)である。間伐前に降水装置でローダミンB溶液を雨量約180mm、降雨強度約90mm/hで散布した。24時間以上経過した後、2.5㎝間隔で上から写真を撮影するとともに、目視で染色・非染色部の土壌の採取を行った。各深度(n=3)のCs-137濃度、ローダミンB濃度の分析の結果、ともに染色土壌で有意に高い傾向が確認された。このCs-137濃度の差が事故からの選択流の働きとすると、11年経過しても選択流の経路は大きく変化しない可能性が示唆された。今後、間伐後についても同様の実験を行う予定である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998646016
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_57
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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