魚沼市大白川地区のブナ間伐施業による伐採木のカスケード利用

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タイトル別名
  • Cascading use of beech tree thinning operations in the Oshirakawa district of Uonuma City

抄録

<p>広葉樹林の持続的森林経営は理論的には可能だが、実践できている事例はほとんどない。今日の日本の広葉樹資源の需要はどの地域でも低質材に大きく偏っており、低い販売単価のため森林所有者の収入は僅かである。これらの問題点を克服し、持続的なブナ林経営を行なっている事例が、新潟県魚沼市大白川地区の大白川生産森林組合である。持続的なブナ林経営の成立要因を明らかにするため、過去5年間の森林経営に関する聞き取り調査と伐採搬出および用材利用の現地調査を行った。その結果、造林・施業の要素は、(1)強度・下層間伐を1〜3回実施して肥大成長を促し、大径で通直な価値の高いブナ用材を生産すること、および(2)強度間伐によって林冠を開け、林床に光を入れて実生由来の更新稚樹を育成することであった。社会・経済的要素は、(3)目標林型を定めたリーダーの存在、(4)通直完満な丸太を生産できたことで、用材としての販売が可能となったこと、そして、(5)用材を含めたA材からC材までの販売先を確保できたことである。さらに、(6)川上と川下が連携して互いのニーズを開拓し、正常材以外の材の価値も見出せたことが挙げられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998648960
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_579
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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