針葉樹人工林におけるアリ類の営巣する切株の条件

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タイトル別名
  • Stump conditions that nesting ants in a temperate coniferous planted forest

抄録

<p>枯死木は生物多様性保全など多様な役割を果たすことから、森林生態系の重要な構成要素である。様々な生物が生息場所や採食資源として枯死木を利用することは、枯死木の分解過程に大きな影響を与える。アリは枯死木を巣として利用すると同時に、種間相互作用によって分解者の機能を弱め、枯死木の分解を遅らせる。しかし、アリが営巣する枯死木の特徴や、その存在する環境条件についての知見は限られている。人工林では木材は搬出されるため、伐採後に残された切り株が枯死木の最大のバイオマスを占めている。そこで本研究は冷温帯針葉樹人工林においてアリが営巣する切り株の条件を明らかにすることを目的とした。その結果、大型種と小型種は樹冠の開いた場所や伐採から時間が経過した切り株に営巣する傾向があり、大型種はさらに苔や地衣類の被った切り株に営巣する傾向があった。古い切り株ほど分解されて柔らかく、太陽からの熱で巣内の温度調節が容易になることが、アリの営巣条件に寄与している可能性がある。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998661376
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_598
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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