北海道のカラマツ人工林の衰退とその要因ーならたけ病、キクイムシ、野鼠ー

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タイトル別名
  • Tree decline of Larch stands in Hokkaido and its causal agents-Armillaria root rot, bark beetle attack and vole damage-

抄録

<p> 北海道では、2016年から道東地方を中心にカラマツが急激に衰弱し、大量枯死する事例が報告されている。カラマツヤツバキクイムシ個体と穿孔跡が多くの枯損木から確認されたため行政上キクイムシ被害として扱われ、被害区域面積は2016年だけで2,164haに達した。しかし、現地を精査するとキクイムシ穿孔のない枯死木も観察されたことから、キクイムシ以外の原因によっても枯死していることが推察された。</p><p> そこで本研究では、カラマツ衰退・枯死の直接的な原因を明らかにするために、大規模な枯死被害が発生した道東地方のカラマツ人工林7林分および枯死被害が少ない道央地方の同6林分で個体毎の健全度と病虫害の有無等を調査した。穿孔・剥皮調査からは、直接の枯死原因がカラマツヤツバキクイムシとナラタケ属菌であることが推察された。また、いずれの地域においても枯死被害が顕在化していない高齢級カラマツ林で多くの個体がならたけ病に初期感染していた。足寄町の1林分(道東地方、55年生)では生立木の94%が感染しており、このような林分ではカラマツの抵抗力が低下した場合、短期間でならたけ病が蔓延し大量枯死が起こる可能性が示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998677760
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_626
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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