樹皮・木材中の<sup>137</sup>Cs濃度の2011年から2022年にかけての変化傾向

DOI
  • 大橋 伸太
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 黒田 克史
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 香川 聡
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 山下 香菜
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 杉山 真樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 安部 久
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Temporal trends in <sup>137</sup>Cs concentrations in the bark and wood from 2011 to 2022

抄録

<p>福島原発事故による放射性セシウム(137Cs)の直接汚染を受けた約30〜60年生の林分において、2011年から2022年にかけて樹皮・木材(樹幹木部)中の137Cs濃度のモニタリングを行った。本発表ではスギ3林分・ヒノキ1林分・コナラ2林分の観測・解析の結果を紹介する。観測のための試料は年1回8月頃に各林分3〜6個体から採取し、試料中の137Cs放射能はGe半導体検出器を用いて求めた。137Csの放射性壊変による減少を除くため、減衰補正の基準日は2022年9月1日に揃えた。樹皮中の137Cs濃度は、スギ1林分を除き全ての林分で減少傾向にあり、ここ数年も僅かではあるが減少が続いていた。一方、スギ1林分では全く減少が見られず、そこでは内樹皮中の137Cs濃度が外樹皮と同程度にまで高くなっていた。木材中の137Cs濃度は、多くの林分で事故後5年ほど増加傾向にあったが、その後増加が頭打ちもしくは減少に転じたことが明らかになった。スギ1林分では木材中の137Cs濃度の増加がまだ続いていたが、これは心材直径が大きい個体では心材への137Csの蓄積に時間を要しているためだと考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998694400
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_667
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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