解剖特性による細根寿命の推測:原生木部数は土壌深度に沿って変わるのか?

書誌事項

タイトル別名
  • Predicting fine root lifespan from anatomical traits: does root protoxylem number vary with soil depth?

説明

<p> 土壌から養水分を吸収する樹木細根の多くは、寿命が短く、短期間で枯死するが、どのような特徴の根が長く生き、または短命であるかは情報が不足している。本研究では、寿命の指標となる根解剖特性の原生木部数(原基数)に着目し、土壌深度に伴う原基数の変化を評価した。同時に、資源吸収・輸送機能に関連する皮層・中心柱の解剖測定により、根寿命と細根機能の関係を解明することを目的とした。調査は、手良沢山研究林(長野県)のスギおよびヒノキ林で行い、土壌深度0-20、20-50、50-100 cmから各樹種の細根系を採取した。河川次数における3次根までの細根系を対象に各次数で横断切片を作成し、原基数および皮層幅、中心柱幅を測定した。結果、両樹種の各次数で土壌深度に沿って原基数が増加した。スギの各次数根では、土壌深度に沿って概ね2原型が減少し、4原型が増加した。一方、ヒノキでは、各次数で土壌深度に沿って2原型が減少し、4原型が増加した。また、中心柱と皮層の土壌深度に対する応答性は、スギとヒノキによって異なった。以上より、土壌深度に対して細根は解剖構造を変化させ、土壌特性に対応した根の寿命や機能を実現していることが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390014790998739968
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_682
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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