HPV31 型を検出した足底 Bowen 病の 1 例

  • 竹井 樹
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 村田 真帆
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野 済生会飯塚嘉穂病院皮膚科
  • 橋本 弘規
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 一木 稔生
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 田中 由香
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 大野 文嵩
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 伊東 孝通
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
  • 中原 剛士
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Bowen’s Disease on the Sole Associated with HPV Type 31
  • HPV31ガタ オ ケンシュツ シタ ソクテイ Bowenビョウ ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

<p>61 歳,女性。明らかな外傷歴はなかったが,初診の約 4 年前に右足底に褐色斑が出現した。褐色斑は徐々に増大したため,前医を受診し,生検で Bowen 病と診断された。切除を勧められたが放置していた。当院を紹介され受診した時,右足底の土踏まず部に 7×6 mm の褐色結節を認めた。前医での生検標本では,表皮全層に異型ケラチノサイトが増殖しており,個細胞角化や clumping cell を認めた。3 mm マージンで全切除し,全層植皮術を行った。パラフィン包埋切片より DNA を抽出し,ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)の検索を行ったところ,粘膜 / 粘膜・皮膚型,ハイリスク型である HPV31 型の DNA が検出された。足底発症の Bowen 病は極めて稀であるが,しばしば粘膜 / 粘膜・皮膚型の HPV が検出された症例が報告されている。しかし,HPV31 型が検出された足底 Bowen 病は,調べ得た限り国内外での報告はこれまでになく,自験例が第 1 例目となる。足底の黒褐色病変を認めたときは,Bowen 病も鑑別の一つとして考慮し対応すべきであり,外陰部・手指だけでなく,足底の Bowen 病も HPV が発症に関与している可能性の高い病変であると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 85 (2), 124-127, 2023-04-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ