劣性栄養障害型表皮水疱症の長期生存例

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タイトル別名
  • A Case of Recessive Epidermolysis Bullosa with Long-term Survival
  • レッセイ エイヨウ ショウガイガタ ヒョウヒ スイホウショウ ノ チョウキ セイゾンレイ

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抄録

<p>劣性栄養障害型表皮水疱症はⅦ型コラーゲンの遺伝子変異により発症し,生後から四肢体幹に水疱やびらんが出現し,瘢痕形成を繰り返す。予後因子として青年期以降から出現する有棘細胞癌や,慢性炎症による腎不全,食道びらんや狭窄による摂食障害,びらん部からの二次感染などが問題となり,全身状態の悪化を起こしやすい。症例は 82 歳,女性。幼少期より四肢のびらんを繰り返し,摂食障害が起こることも度々みられたが現在まで通院加療を行っている,当院最高齢の患者である。本症例は表皮水疱症の診断基準が確立する前から当院への通院を開始したが,現在までに良好な経過を維持できている理由として毎日の自己処置が行えていたこと,摂食不良時には経腸栄養剤を積極的に用いていたことや,小児期から体への負担の少ない生活スタイルだったことが挙げられた。しかし長年経過良好に過ごしていたが,歩行時痛から ADL が低下した際には急激な潰瘍の悪化,蜂窩織炎を引き起こしたことから,今後は高齢になっていく患者の生活状態に合わせ,早期に介護や訪問看護を導入するなどの対応も重要とされた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 85 (2), 113-115, 2023-04-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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