通気性を高く維持可能な新規非フッ素系耐油コート剤「SEIKOAT<sup>®</sup> T-EF201」

書誌事項

タイトル別名
  • SEIKOAT<sup>®</sup> T-EF201, a Novel Non-fluorinated Oil-resistant Coating Agent Capable of Maintaining High Air Permeability of Paper

抄録

紙を油や油脂成分が多く含まれる食品の包装に使用する場合,食品の油が包装用紙に浸透しないように耐油性を有する紙や板紙が使用される。従来の耐油性を有する紙では,紙に耐油性を付与する手段としてフッ素系耐油剤が使用されていたが,有機フッ素化合物は健康や環境への懸念があることから代替品への置き換えが求められるケースがでてきている。しかし,フッ素系耐油剤と同等の耐油性を得る事は難しく,またアクリル系などの非フッ素系耐油剤を用いた場合,紙の通気性が低下して,蒸気を逃がしにくくなり,フライドポテトなどの揚げ物を放送した際に食感が悪化するという課題がある。<br>本報では非フッ素系でありながら,紙の通気性を高く維持可能であるという特徴をもった耐油コート剤であるSEIKOAT® T-EF201について紹介する。SEIKOAT® T-EF201は下記の特徴を有する。<br>・食用油に対する高い耐油性<br>・フッ素系耐油剤を使用した耐油紙に匹敵する高い通気性<br>・紙の端面からの油の侵入抑制<br>・固形分中におけるバイオマス素材の割合が95%以上<br>・生分解度(絶対値)が70%以上<br>・FDA21CFR§176.170,§176.180収載組成で構成<br>T-EF201は,高バイオマス率を有し,生分解性であるという特徴も併せ持っており,より環境に配慮した耐油コート剤である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 77 (5), 409-413, 2023

    紙パルプ技術協会

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